日本こども成育協会シニアフェローの所真里子です。
子どもの安全の専門家として、
ブログ記事を担当しています。
暑かった夏がやっと終わり、季節は秋、冬へ向かっています。
暖房器具や加湿器が活躍するシーズンがやってきました。
本格的に使い始める前に
安全に使えるか?
置く場所は安全な場所か?
ぜひ点検してください。
暖房器具や加湿器は
「火」や「熱湯」を使いますので
思わぬことで火災や大ケガにつながります。

■使い始める前にチェックする3つのポイント
収納、保管場所から暖房器具や加湿器を運び、
いつも設置する場所に置いて、
準備完了! としていませんか?
いざスイッチを入れたら・・・
うまく点火しない、変な匂いがする、などなど。
そうならないために
使い始める前に安全点検をしてください。
チェックポイント1
外観や電源コードに異常はありませんか?
収納、保管中にたまったほこりをはらい、
清掃しながら、部品の外れや欠け等がないか確認。
電源コードが極端に折れ曲がっているときは
コードが断線しているときがあります。
試運転のときに要チェック(詳細後述)
チェックポイント2
取り扱い説明書を見ながら試運転していますか?
「取り扱い説明書なんて見なくても使える」
と思っていても、年に1回は正しく使っているか
確認しましょう。
取り扱い説明書が見当たらない場合は
メーカーのサイトやお客様相談室に
アクセスしてみてください。
試運転のときには
・変な匂いがしないか?
・電源コードが異常に熱くなっていないか?
・本体を動かすと電源が切れたり入ったりしないか?
気になる点があったら
修理に出す、買い替えを検討するなど
そのまま使い続けることはやめましょう。
チェックポイント3
設置場所は安全でしょうか?
特にお子さんのいるご家庭や
保育の現場、子どもが出入りする施設や共用部では
お子さんの成長・発達に合わせて設置場所の見直しが必要です。
「ここなら、子どもの手は届かないだろう…」
と感覚で判断していませんか?
例えば、手の届く範囲は、
このイラストのように、年齢によって目安があります。

また、電源コードは引っ張りやつまずきの原因になり、
お子さんが引っ張ったりつまずいたりすることで
暖房機器や加湿器が
倒れたり落ちたりする危険があります。
コードは壁や床に固定することをお勧めします。

また、引っ張られたらコードがはずれる
「マグネット式プラグ」の製品もあります。
「マグネット式プラグ」の製品のように
子どもの安全を考えた製品がある
ことを ご存じでしょうか?
続きは来週にお伝えします!
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<執筆者プロフィール>
所真里子(ところ まりこ):子ども製品・保育の安全
【専門分野】
子どもの安全(製品安全、リスクマネジメント、事故予防)
日本子ども学会常任理事
製品安全対策優良企業表彰(経済産業省)審査委員
ISOガイド50(子どもの安全)JIS化委員
【略歴】
ベネッセコーポレーションに20年以上勤め、教材編集、子ども研究、知育玩具や通販
商品の事故事例分析や安全基準づくりに取り組む。在職中に日本女子大学大学院で子ど
もの事故予防を研究。
2013年保育の安全研究・教育センター設立に参加。2021年4月~2025年3月まで、消費
者庁政策調査員として、教育・保育施設、放課後児童クラブ、障害福祉施設、介護施設
等から提出される重大事故報告書(約2500件/年)の調査及び照会業務に従事。
現在は子どもの安全の専門家として、研修講師、保護者への安全講習、製品安全行政
の委員、企業へのアドバイス等を行っている。
<著書>
『イラストで学ぶ 保育者のための「ハザード」教室
~子どもの「危ない!」の見つけ方・伝え方~』(ぎょうせい)