こんにちは、歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
9月に入ると園や学校・地域の避難訓練などが行われ
“防災”について考える機会が増えたかと思います。
今回のブログでは災害時の口腔ケア、特に
・防災バッグにどんな口腔ケアグッズを入れておいたらよいか?
・災害時の口腔ケアでのポイント
に焦点をあててお伝えします。
■防災バッグ用意していますか?
私も防災バッグについての情報を元に
“これがあったら安心・必要”と思う物を集めて、
リュックサックに入れ枕元に常備しています。
毎年9月頃には非常用にローリングストックしている
食料品と共に防災バッグの中身に
“期限切れがないか?”
“今のままで良いか?”
と確認します。
災害といっても様々なので、
その時の状況によって必要なものが違うでしょうし
悩みだすと何を用意しておけば良いか??
本当に悩んでしまいます。
飲料水などこれだけは外せない!!
という物のひとつが口腔ケアグッズ
“歯みがき用品”です。
私はこれらも必ず確認しています。

■防災バッグに歯ブラシ があたり前になるように
ネットショップなどで防災バッグを検索すると、
数年前までは歯ブラシ等の口腔ケアグッズが入っていることは
殆どありませんでしたが、
ここ最近では入っていることも多くなりました。
製造者・消費者共に災害時の口腔ケアの意識が
高まりつつあるという印象を受けます。
歯科衛生士としては大変嬉しいことです。
ただし、口腔ケアグッズは
元々防災バッグにパッケージされた物ですと
使用感や味など“いつもと違う”ことで、
結局使わなかったり効果的に口腔ケアができず
口腔内の状態が悪化してしまう…
といった問題も発生します。
ですので、
防災バッグに入れる口腔ケアグッズは
『いつも使っている歯みがき用品』をベースにし、
『+アルファの“災害時だからこそ便利な物”』を
ご用意していただきたいのです。
■いつも通りに磨けないことを想定した口腔ケア用品の選択を
さて、“いつもの歯みがき用品”はどんな物を使っていますか?
・歯ブラシ
・フロス(糸ようじ)
・歯間ブラシ
・歯磨剤(歯みがき粉)
・デンタルリンス(液体歯磨剤)
・舌ブラシ…
などの口腔ケアグッズがありますが、
歯ブラシの大きさや歯磨剤であれば
大人用子供用でフッ素濃度の違い等もあり、
ご家族それぞれ必要な物が違いますね。
できれば、1人分をクリアポーチ等に個別に入れて
防災バッグに用意することをおすすめします。
災害時は気持ちの余裕もなくなりますので、
口腔ケアグッズやポーチに名前を書くなどして
お子さんにもわかりやすい工夫をしておくことは
ママやパパの安心のひとつになると思います。
防災バッグの容量の制限も考慮しないといけません。
・歯磨剤を一人ひとつずつは入れると防災バッグが重くなってしまう
・歯磨剤とデンタルリンス両方入れるのは難しい
など家族が多くなると困ることも出てきます。
そういった場合は、
・歯磨剤は大人用と子供用一つずつ入れておく
・お子さんの年齢によっては親子で共有できるデンタルリンスにする
などいつもと違うけれど、
災害時の代替案を検討してみるのも良いと思います。
“災害時だからこそ使える物”としては
・デンタルリンス
断水時や避難所などで水がつかえない、洗面所が混んでいる、
などで、うがいがいつも通りできない時に活用できる
・歯みがきシート、歯みがきナップ
歯みがきを丁寧にする余裕がない時にもサッと使えます。
甘い味がついているので、気分転換にもなります。
ただし“災害時に初めて使う”となると
ストレスに感じることもあるので
普段から“お試し”してどんな風に使うのか確認して
慣れておくことをおすすめします。
さて今回は災害時の口腔ケアについてお伝えしました。
これをきっかけに、日常の口腔ケアと共に
災害時の口腔ケアについてもご家庭で話し合う機会になると嬉しいです。
ーーーーーー
ブログ筆者:宗田 香織(歯科衛生士)
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。