「パパ」が育児の主語になるまでの道のり

■令和6年度・男性の育休取得率、ついに40%超え

「育児は父親の仕事」が常識に?

ニュース欄でもご紹介いたしましたが

2025年7月31日、厚生労働省より発表された

「令和6年度 雇用均等基本調査(速報版)」

によると、

令和6年度(2024年度)の

男性の育児休業取得率は40.5% と、

過去最高を記録しました(前年:30.1%)。

 

厚労省の「令和6年度雇用均等基本調査」からポイントを紹介します。

 

・男性の育児休業取得率:40.5%

 (前年比+10.4ポイント)

・政府目標:

 2025年に男性50%、

 2030年に85%を掲げる

・2013年度の男性取得率はわずか2.03%

 → 驚異的な伸び

 

取得率が40%を超えたことで、

「男性の育休取得が特別なことではない」社会への

移行が加速しているといえます。

 

■企業規模による取得状況

育休取得には、企業規模が大きく影響しています。

 

・1,000人以上の企業:59.4%

・300~999人:47.9%

・100~299人:40.6%

・30~99人:35.4%

・10~29人:28.1%

 

中小企業では人手不足や代替要員の確保の難しさが背景にあり、

制度を整えても「取りづらい空気」が

まだまだ企業や組織にあることは否めません。

これからの人材は

働く場と自身の人生とのバランスを

よくよく見極めていく人たちです。

 

つまり、

「子育て」という社会活動がそのものが

「企業の力」になる、

という意識改革が必要になっていくでしょう。

 

■社会全体で子どもを育てるという視点へ

今回、男性の育児休業取得率が

40.5%に達したという発表は、

父親の育児参加が着実に進んでいることを示すものです。

 

今後、母親に大きな負荷がかかっていた育児が、

最寄りの家族の参画によって

「成育環境の質が高まる」ことが期待されます。

 

しかし、

私たちが目指しているのは、

「親に子育てを任せる社会」ではありません。

 

子育ては、親だけの責任ではなく、

社会全体の営みである

という視点こそ、いま必要とされています。

 

■私たちは子どもを歓迎しているか?

それは、職場や地域、医療・教育現場、

そして公共の場において、

子どもを「社会の一員」として歓迎する

ことから始まります。

 

それは、相手を理解することです。

子どもの発達段階を理解し、

適切に関わる大人が増えていくこと。

 

これは単なる育児支援にとどまらず、

大人は働きやすくなり、

暮らしやすくなるということ。

そして、子ども自身が社会の中で

のびのびと育ち、

育てられるということです。

 

男性の育児休業取得率の調査データは、

社会のありようの定点観測として

今後も注目していきたいと思います。

 

<厚労省発表資料>

令和6年度雇用均等基本調査

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r06/05.pdf

「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」(速報値)

https://www.mhlw.go.jp/content/001128241.pdf

<参考資料:2021年6月協会調査資料>

パパの育児参加状況・実態調査2021 PDF資料

https://www.kodomoseiiku.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/04/306ead3412bfae196077fb860b15cb0f.pdf