こんにちは。歯科衛生士・こども成育インストラクターの
宗田香織です。
今回は、日常的にできる「非常時の口腔ケア」の備えについてお話します。
①非常時を想定した歯みがき体験をしておく
むし歯や歯周病のリスクや口腔ケアのストレス軽減に繋がります。
ポイントは3つです。
☆ポイント1 :歯みがきのバリエーションを増やしてみよう
・歯みがき剤を少量にして少なめの水でうがいを1~2度だけする
・ぶくぶくうがい→歯みがき剤を使わずに歯みがき→デンタルリンスで
口腔内をすすぐ(デンタルリンスを普段から使って慣れておく)
☆ポイント2:歯みがきシートを親子で使ってみる
・歯みがきやぶくぶくうがいがしづらい状況を想定して
簡易的にでも口腔ケアをしておく
・一旦お口の中をリセットすることでダラダラ食べ防止のきっかけに
☆ポイント3:歯みがきの後の歯ブラシのや洗浄
・使い終わった歯ブラシをコップに水を少量入れて洗い、
ウェットティッシュやアルコールスプレーなどを吹き付けた
ティッシュペーパーなどでふき取り乾燥させておく
②日常生活で習慣にしておくと良いこと
食事の際に気をつけたポイントをご紹介します。
☆ポイント1:良く嚙んで食べる
唾液がたくさん出るので口の中の食べ物をしっかり胃腸に送り込むことができる
→口の中の食べ物の残りが少ない
→歯みがきが十分できない環境でも細菌の増殖を抑えられる
☆ポイント2:ダラダラ食べをしない
避難生活では食生活が不規則になり、食事内容も普段とは異なります。
食事と食事の間が数時間空くことで、お口の中が虫歯や歯周病になりにくい
状態に戻る(唾液の自浄作用)ため、虫歯や歯周病になりにくくなります。
けれども、口さみしいときにずっと何かを食べている生活が続いてしまうと
この働きが上手く行えません。
その結果、虫歯や歯周病が進行したりリスクが高まってしまうのです。
普段からダラダラ食べの習慣があり、むし歯や歯周病になりやすい
口腔内環境であれば、避難生活が長期間続くとさらにリスクが高まります。
普段の食生活を整えておくことは、非常時の病気のリスク軽減に繋がるのです。
☆ポイント3:定期的な歯科受診で口や歯をげんきにしておく
非常時や避難生活では、「いつも通り」が難しい日々が何日も続くこともあり
突然歯が痛みだすということも少なくありません。
日ごろから定期的な歯科受診で異常がないか診てもらう・自分の歯みがきでは
難しいところや細部まで専門家のクリーニングできれいにしておくことも
口腔内にとっての備えとして大切です。
非常時であるからこそ、食事を美味しく食べられることは身体の健康面だけではなく
精神面での安定や安心に繋がります。
そのためには
・日頃からげんきな口と歯を育てておくこと
・災害時も口腔ケアができる準備をしておくこと
で、守れることがたくさんあると感じています。
この機会に
-防災グッズの中に口腔ケア用品が入っているか?
-うちの家族のメンバーにはどんなものが役立ちそうか?
について、ご家族で話し合ったり、体験してみていただけると嬉しいです。
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。