こんにちは。
歯科衛生士・こども成育インストラクターの宗田香織です。
前回は、歯や口の健康を維持していくためには、
“毎日のセルフケア”と“定期的な歯科受診”の2つの足並みを
揃えていくことが大切ということをお伝えしました。
https://www.kodomoseiiku.jp/blog/210701-2/
そこで、これから2回にわたって“毎日のセルフケア”のやり方で
私がよく患者さんにお話しする4つのことをご紹介したいと思います。
私が大切にしているケアのポイントは【キレイとげんき】です。
「汚れをとってキレイにすること」と
「歯や口の機能が十分に活かせるようにげんきな口腔を保つこと」
にポイントを置いたケア方法です。
まず、1つ目は☆ぶくぶくうがいでキレイとげんきを☆です。
コロナ禍でうがいをする機会が増えましたが
長年患者さんを観ていると「うがい」があまり上手にできない方が多いな…と
感じることがあります。
皆さんも歯みがきの仕方は教えてもらったことはあるけれど
「ぶくぶくうがい」の仕方は教えてもらったことがないのではありませんか?
いつの間にかできていた、という方がほとんどですが
そのため気づかないうちに「自己流」「歯をみがいたらなんとなく最後にゆすぐ」
という感じではないでしょうか?
また「お口をゆすいでください」と言うと、「がらがらうがい」を
する方が多いです。
でもこれは、お口ではなく喉のうがいなのです。
注:がらがらうがいが、いけないというわけではありません。
毎日おこなっている「うがい」ですから、口腔のキレイとげんきを
高めるチャンスに変えてみませんか。
ぶくぶくうがいのポイントは以下のとおりです。
①1日を通してこまめに行う
朝起きたら・食事の前・トイレに行ったついでに
お風呂に入ったら・歯みがき前に
たくさん歯みがき後は1〜2回、など気づいた時に。
②お水の量は少なめに
おとなは20〜30ml、こどもは10〜15mlを目安に
「少ないかな?」と感じる量のお水をお口全体に広げるようにしっかり動かす。
③ホッペ・くちびるが大きく膨らむように動かす
④鼻で呼吸しながら1回20秒位ぶくぶくうがいをする
注:鼻炎などで鼻が詰まっている方は無理をしないでくださいね。
⑤順番はぶくぶく(手前のお口をゆすぐ)→ガラガラ(奥の喉をゆすぐ)
がベスト
こどもはおとながやっていることを見てそれを真似することで
様々なことを学び出来るようになって行きます。
口腔ケアのひとつとして効果的なうがいの仕方を、ぜひ親子で一緒に
チャレンジしてみてくださいね。
2つ目のポイントは、☆しっかりよく噛んで食べる☆です。
食事は栄養を取るだけではなく、口腔を取り巻く筋肉
(咀嚼筋・表情筋群、舌)のトレーニングにもなります。
強くするだけではなく、適度にバランスよく動かす事でほぐしたり、
しなやかに動く筋肉にしていきましょう。
以下の4つのことに気をつけてみてください。
①美しい姿勢になると顎も正しい位置になる
猫背や肘をついたりしないしないように姿勢を正すと
顎も自然なポジションをとりやすくなります。
それによって筋肉も本来の動きが発揮できるようになります。
イスの高さや幅が身体にあっていなかったり、テーブルの位置が
遠かったりすると姿勢が悪くなり、よく噛めないこともあります。
食卓の環境を見直してみるのも良いかもしれません。
②ひと口目を何回噛めるか意識してみる
必ず30回噛む!と頑張りすぎると食事が楽しくありません。
まず、自分がどのくらい噛んでいるのか意識してみましょう。
少ないな…と思ったら2口目は少したくさん噛むようにしてみましょう。
親子や兄弟で誰が1番たくさん噛めるか競走してみるのも
お子さんの意欲を引き出すきっかけになりそうですね。
また、「片噛み(左右どちらかだけで噛んでいる)」の人は
咀嚼回数が少ない側に歯垢(しこう:細菌の汚れ)が着きやすいので
歯みがきの時に意識して磨くようにすると良いです。
③食材を大振りに切ったり、食物繊維たっぷりのメニューを選ぶ
ペースト状のメニューや柔らかい食材では、咀嚼回数は増えません。
2つのメニューで迷ったら「どちらがたくさん噛めるかな?」を
基準にしてみるのもおすすめです。
④疲れている時や体調不良の時は柔らかい物や
食べやすいメニューを食べましょう
消化の負担にならないように無理はしない。
常に頑張りすぎないことも続けるためのポイントです。
残り2つのポイントについては、また次回にお伝えいたしますね。
宗田 香織
1996年 東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校を卒業後一般歯科や審美・矯正歯科などにて勤務。
2000年 Dr岡本・Dr竹内よりスウェーデン歯周病学を学び、歯周治療・メンテナンス・
インプラント予防管理を中心に歯科クリニックに勤務。
2018年10月よりこども成育インストラクター〈食専科〉アンバサダーとしても活動中。