日本こども成育協会理事の沢井佳子先生と、料理芸人で2児の男の子の子育て
真っ最中のクック井上。さんのトークショーレポート。
前回は、4歳ごろになると「自分の見えている世界と人が見ている世界は違う」
ということが分かりはじめるという沢井先生のお話をご紹介しました。
このように、4歳ごろは「この人にはもっと説明をしてあげないと
わからないかもしれない」というような、“気が利く”一方で
“発達の谷間”の時期でもあると、沢井先生は言います。
3歳ごろには間違えなかったことを、4歳になると間違えるようになることが
あるそうです。
4歳になるといろいろなことを頭に入れて、覚えるようになります。
そうすると、そのなかでうまくつじつまを合わせようとして
時おり変なことを言うようになるのです。
たとえば、お団子のようにまるくした粘土の中に、小さな玉を入れて
まるめなおします。
それをこどもに見せながら、「さっきの玉は粘土の中に入っているかしら?」
と聞くと、年齢問わず「入っている」と答えます。
次に、そのお団子の形をした粘土を小さな玉はなかに入ったままの状態で
細長いソーセージのような形に変形させます。
そして、「さっきの小さい玉は入っているかしら?」と聞くと、
3歳児や5歳児は、「入っている」と答えます。
けれど、4歳児では約30パーセントのお子さんが「入っていない」と
答えたそうです。
「どうして?」と理由を聞くと、「(粘土の形が)細長くなったから
入っていない」などの説明を長々と話し出します。
さらに、元のお団子の形に戻すと、今度は「形がまるくなったから
小さな玉が入っている」と答えます。
このように、4歳ごろは形の違いなどいろいろな要素に気がつく一方で、
そうした要素どうしの整合性をとることができなくなってしまうことが
あるようなのです。
たくさんの情報が入ってきて、急にエラーが起こりやすくなるというわけです。
次回へ続く。